観光庁が21日に発表した09年度の主要旅行業62社の旅行取扱状況(速報)は、総取扱額が前年比13.9%減の5兆5402億8350万円だった。内訳は、国内旅行が同10.6%減の3兆5338億8829万円、海外旅行が同19.3%減の1兆9541億6977万円、外国人旅行が同15.8%減の522億2544万円だった。総取扱額が08年度実績を上回ったのは、阪急交通社(同0.4%増)、i.JTB(同0.7%増)の2社のみで、09年度が旅行事業者にとって厳しい1年であったことが改めて明らかになる結果となった。
国内旅行分野で前年実績を超えたのは、57社中4社のみ。うち3社はJTBグループだった。
海外旅行は取り扱い60社中3社が前年超えした。
外国人旅行は、取り扱い38社中13社が前年実績を超えたものの、取扱額の大きい事業者で伸ばしたところはなかった。
旅行商品ブランドの取扱状況は、総取扱額が同11.6%減の1兆5893億630万円。このうち国内旅行は、同10.4%減の9410億5082万円、海外旅行は同13.4%減の6450億6270万円、外国人旅行は同3.8%増の31億9279万円。
旅行商品ブランドの取扱人数は、同7.0%減の4315万9448人。内訳は、国内旅行が同8.0%減の3858万7049人、海外旅行が同2.4%増の440万5659人、外国人旅行が同9.2%減の16万6740人。
62社のうち、日本旅行を抑え3位に浮上した阪急交通社は、4月から総取扱額が290億3479万円の阪神航空を統合した。2社を合わせた取扱額は3818億9762万円で、2位の近畿日本ツーリスト(KNT)の3803億4061万円を超えており、10年度は阪急交通社、KNT、日本旅行の3社による業界2〜4位争いが激しくなりそうだ。